喘息と背骨と足の反射区

 これまで長年、皆さんのからだを観察してきましたが、すぐに咳き込んだり、あるいは風邪を引いて一時的に咳き込む状況になっていたり、あるいは喘息になりやすい体質だったりしている人の背骨には特徴があると私は認識しています。
 それは背骨の上の方、第3~第5胸椎辺りが凹みながら下方に下がっている状態です。
 首の後方を頭部の方から触りながら降ろしてくると首の根元の大きな出っ張りがあります。それは第7頚椎の棘突起ですが、そのすぐ下に第7頚椎にくっつくようにして第1胸椎があります。そしてその下の出っ張りが第2胸椎ですが、そこまでは少し後方に弯曲している感じがすると思います。ところが、第2胸椎の下辺りから弯曲が消え、反対に少し凹んだ感じがするようであれば、上記に取り上げたような人だったり、状態の人である可能性が考えられます。

 たとえば「喘息持ち」と自覚している人の場合、季節の変わり目や気温の寒暖差などによって年に幾度か、咳き込む時期があるかもしれません。
 このような方が来店されますと、上記に説明した第3胸椎~第5胸椎辺りの凹み、さらに背骨全体の下方への歪み、そして喉周辺の状態に私はまず着目します。
 喘息は「病」なので、整体では太刀打ちできないと考えられている人がほとんどだと思われますが、整体的手段でも対応する方法はあります。

第3胸椎は肺のツボ?

 東洋医学の話になりますが、東洋医学で「氣(気)」の流れや充実度、ツボ(経穴)、経絡(けいらく:氣の通り道)の状態などを重要視して診断を行います。
 背骨の脇には督脈という経絡がありますが、第3胸椎のところは肺兪(はいゆ)呼ばれるツボがありまして、肺の機能に関係が深いと考えられています。そして、東洋医学で言う「肺」とは臓器としての肺の事だけではなく、肺やそれに関連する器官を含めた呼吸器系全般を顕しています。具体的には鼻~喉~気管支~肺といったところでしょうか。

 私の施術は、筋骨格系を主体とした現代医学の解剖生理学を基本としていますが、それだけでは解決できない状況にしばしば出会します。そして、そんな時は東洋医学系の表面的な知識を利用させていただいています。そして、今回話題にしている喘息を含めた呼吸器系の問題に対しては、東洋医学の知識である第3胸椎を整えることも手段の一つとしています。

背骨を整える手段‥‥反射区の利用

 ところで、第3胸椎~第5胸椎辺りが凹んでいて、さらに背骨全体が下方に歪んでいるような状態を「どうやって整えれば良いのだろうか?」という疑問が湧いてきます。
 かつては、凹んだ辺りを優しく揉んでみたり、あるいは第3胸椎~第5胸椎の椎骨をそれぞれに整えるようにしてみたりしていました。それなり効果は認められましたが、手間に見合うほどの成果は期待できないというのが正直な気持ちでした。そこでいろいろ考えた挙げ句、足の反射区を試してみることにしました。
 いわゆる「足ツボ療法」ですが、一般にはリラクゼーション系の療法ですが、やり方次第で大きな効果を期待できる反射区などもあります。そして、背骨の反射区は効果が期待できる反射区であると認識することができました。
 整体の学校では背中のツボ押し(指圧)が効果が期待できると言っていましたが、実際は大したことはありません。それよりも背骨の反射区を利用した方がよほど効果が高いと私は認識しています。

 背骨の反射区は母趾の骨そのものであり、内側面です。そしてサラッとマッサージしても「ちょっと心地良い」程度にしか感じられませんが、しつこく何度も何度も繰り返し指圧したり強めの力が擦ったりしていますと、心地良さが痛さに変わっていきます。そして、ここからが肝心で、骨にブツブツと細かい何かが付着しているのが施術している指先に感じられるようになりますが、それを除去するように擦ることが大切です。
 ほとんど人の場合、非常に痛く感じます。痛みに耐えていただきながら私は施術を続けますが、そのうちに骨の当たりが柔らかく滑らかなった感じがするようになります。
 呼吸器系の場合は、上図の胸椎の真ん中より頚椎に近い方を念入りに施術するようにしていますが、それで第3胸椎辺りの凹み具合も改善するようになりますし、下方に歪んでいた背骨も本来の位置も戻るような感じになります。

 余談ですが、腰痛の人の場合は上図の腰椎と仙骨と尾骨の部分を中心におこなったり、骨盤に問題がある人の場合は、仙骨と尾骨およびその周辺を念入りに施術するのが宜しいかと思います。
 ポイントとしては、足なので、皮膚や筋膜も丈夫になっていますから施術を行っても最初の頃は骨(反射区)までなかなか刺激が届きません。ですから、時間を掛けてじっくり施術することが肝心です。やがて表層が柔らかくなって骨にまで手指が届くようになりますと、ブツブツしたもの感じられるようになりますし、異様に硬くなっている部位なども認識できるようになります。そして、そこからが施術の本番です。
 このポイントをはずして上辺だけの施術だったり、時間的余裕がないなどの理由で途中で施術を止めたりしますと効果が現れない徒労となってしまうことでしょう。

活力と背骨

 背骨は脊椎が24個(頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個)連なってできている骨格ですが、体幹を支えるための基礎です。背骨がしっかりしていれば脊柱起立筋をはじめ背骨に関係している筋肉はリラックスすることができます。反対に側弯であったり、猫背のように丸まっていたり、ストレートネックやストレート腰椎のじょうたいだったり、脊椎に歪みや捻れがあったりしますと筋肉は緊張状態になり、からだに張りや辛さを感じる可能性があります。
 また、筋肉や神経面のことだけでなく「エネルギーの通り」という面でも背骨の在り方は重要です。食欲がないわけでもなく、睡眠不足でもないのに活力が湧かない、やる気がでない、頭が回らない、等々の症状を抱えるときがあります。そんな時は、体幹を巡っているエネルギーの流れが悪いのかもしれません。
 背骨の中には脊髄が頭(脳)から仙骨まで通っていますが、脊髄の中に流れている脳脊髄液は私たちのエネルギー循環の根幹とも考えられます。ですから、その流れが活発になるようにすることが対策になります。そして、そのためには背骨に沿って指圧をしたり、背骨を動かす運動をしたりするのがよいと思います。ウォーキングやジョギングなども有効でしょう。
 そして、今回紹介している足の背骨反射区への刺激も有効です。運動も嫌い、散歩も嫌い、体を動かすことも苦手という方は、セルフケアとして足の背骨反射区を刺激することをおすすめします。

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